お知らせ
インターンシップ実習生が当センターを来訪しました(2026/09/02)
2026年9月2日(水)午前、県庁関係課、環境事務所のインターンシップ実習生7名が、センターの施設見学と調査船「びわかぜ」による調査実習を行いました。
施設見学では、センターの概要、業務内容の説明を受けました。その後、環境監視部門の実験棟で、琵琶湖水のCOD分析やプランクトンの検鏡の様子、水質や大気の測定に使用する分析機器(ICP-MS、GC-MS、LC-MS/MS他)の見学をしました。
その後、インターン生は調査船に乗り込み、琵琶湖水質調査地点2地点(南比良沖中央:水深約60m、唐崎沖中央:水深約3m)で、透明度の測定等の実習を行い、南湖と北湖での色相の違いを確認しました。北湖の調査地点では、バンドーン採水器で水深50mの水を採水し、表層水との水温の違いを体感しました。また、調査地点への移動中には、琵琶湖水質調査の概要と水質の概況についての説明を受け、琵琶湖水質への理解を深めました。
大気・水質、再生可能エネルギー、プラごみ等、様々な環境課題に関心を寄せる実習生たちが、今年度から新設された「総合環境職」の業務の一端を体験し、将来のキャリアを考える良い契機となりました。
COD分析見学の様子
調査船内での説明の様子
透明度測定の様子
おおつ市民環境塾のプランクトン観察会を支援しました
2026年8月23日(日)、びわ湖大津館にて「おおつ市民環境塾」(主催:おおつ環境フォーラム)が開催され、当センターの職員がプランクトン観察会のサポート講師として参加しました。
当日参加者は、まず、会場近くの湖岸に移動してプランクトンの採取を体験した後、講師によるプランクトンの生態や役割についての講義を受けました。続く観察会では、参加者一人ひとりが生物顕微鏡を覗き込み、採取したばかりのプランクトンを熱心に観察しました。
今回のプログラムでは、採取した南湖のプランクトンの観察に加え、あらかじめ用意された北湖のプランクトンのサンプルと比較する試みも行われました。参加者たちは図鑑を片手に「これは何の仲間だろう」と熱心に同定作業に取り組み、水質や環境の違いによって生息するプランクトンの種類や量にどのような差があるのかを、身をもって学んでいました。
プランクトンの採取を体験
プランクトンについての講義
北湖と南湖のプランクトンの比較
みんなのBIWAKOエキスポが開催されました
2021年に策定されたマザーレイクゴールズ(MLGs)を契機に毎年開催してきた「みんなのBIWAKO会議」は、「みんなのBIWAKOエキスポ」と題して、イオンモール草津で2026年8月27日(木)に開催され、幅広い年齢層の多くの参加者でにぎわいました。
MLGsは、琵琶湖を切り口とした2030年の持続可能社会へ向けて設定した目標(ゴール)で、13のゴールがあります。当センターは、その案内人や3つゴールの学術委員を担っています。みんなのBIWAKO会議ではこれらゴールの評価報告を行う、「MLGsの進展報告セッション」のほか「つながるブースセッション」「フィナーレ」の順で開催されました。
「MLGsの進展報告セッション」では、佐藤専門研究員が、MLGs案内人代表としてその中間報告をするとともに、その評価報告書「シン・びわ湖なう2026」の5年間の総括報告および「ブースセッションリーダー紹介」に登壇しました。
「つながるブースセッション」では行政・企業・活動団体・学校等から44のパネル展示が行われました。当センターは琵琶湖水質変遷・現況解説とビワマス保全活動の2件の展示を行い、多数の訪問者の注目を集めました。
「フィナーレ」ではMLGs体操、ブースセッション総括、琵琶湖周航の歌大合唱が行われました。
また、みんなのBIWAKO会議後に滋賀県と国際湖沼環境委員会(ILEC)の共催で国際イベントが開催されました。イベントでは、県内MLGs若者団体やオンラインでつながる海外の活動団体によるユースチャレンジが発表され、ILECの理事でもある藤井センター長、東副知事などがコメンテーターを務めました。その後、今回の発表者からYouth Commitment(若者宣言)~これからも世代や地域を超えて湖沼の保全と持続可能な利用に向けた行動~が宣言され、次期国際湖沼会議主催国のタンザニアからの会議参加案内の後、最後は東副知事による閉会の辞で終了しました。
センターの研究や知見がMLGsの評価などに結び付き、琵琶湖のこと、世界の湖沼のことを考え、何ができるのかみんなで考えるきっかけになったイベントでした。
みんなのBIWAKO会議プログラム
世界湖沼の日2026 国際イベント プログラム
佐藤専門研究員らによるMLGsの説明(右から2人目)
ブースセッションリーダー紹介の様子
つながるブースセッションでのセンターの研究活動紹介
つながるブースセッションの様子
ブースセッションで説明を行う佐藤専門研究員
国際イベントでコメントを行う藤井センター長
麻生川で生きものを見つけよう!「生きもの調査隊」に協力しました
2026年8月23日(日)に、高島市朽木の麻生川で開催された「麻生川で生きものを見つけよう!生きもの調査隊」で当センターの佐藤専門研究員が講師を務めました。当日は小学生を中心とする子ども10名とその保護者11名の計21名が参加され、皆さんと一緒に麻生川の生きものを採集・観察しました。川岸や川底の石の裏、落ち葉だまりなどをタモ網を使って調べたところ、アユやヨシノボリ類、ウグイ、ドジョウなど6種の魚類をはじめ、様々な水生昆虫を見つけることができました。
また、森林の環境が川の生態系とどのようにつながっているのかについて解説し、森林の適切な管理がビワマスの稚魚の餌となる生きものを育むことにつながることや、冷水性の魚類であるビワマスを保全することは、気候変動への適応という観点からも重要であることなどを紹介しました。こうした川と森のつながりについて、参加者の皆さんと一緒に考える機会となりました。
観察の後には、ビワマスのパスタやうざくの試食会も行われました。実際にビワマスを味わいながら、その生態だけでなく食材としての魅力にも触れることができ、楽しみながらビワマスと森・川のつながりを学ぶイベントとなりました。
【論文掲載】琵琶湖の絶滅危惧プランクトン「ビワコツボカムリ」は 日本固有の亜種だった――中国産個体群を新亜種ムーランツボカムリDifflugia biwae junyangiとして記載――
滋賀県琵琶湖環境科学研究センターの一瀬諭 客員研究員、法政大学の島野智之教授らの研究グループによる論文が、学術誌 Journal of Protistologyに掲載されましたので、お知らせします。
(日本固有亜種とは、種としては日本国外にも分布するが、日本の個体群が形態的・遺伝的な差異によって種内の別のまとまり(亜種)として区別され、かつその亜種が日本にのみ分布するものをいいます。身近な例では、ホンドギツネ(アカギツネの日本産亜種)やホンシュウジカ(ニホンジカの本州産亜種)が知られています。)
【概要】
- 琵琶湖の有殻アメーバ(殻をもつアメーバ)で日本固有の絶滅危惧種であるビワコツボカムリ Difflugia biwae Kawamura,1918 について、中国・ムーラン湖産の個体群との詳細な形態計測解析を行った結果、両者が統計的に有意に区別できることが今回の論文で示されました。
- この結果に基づき、中国・ムーラン湖産の個体群が新亜種ムーランツボカムリ Difflugia biwae junyangi Ichise & Shimano, 2026 として記載されたことにより、琵琶湖産のビワコツボカムリは亜種 Difflugia biwae biwae として琵琶湖のみに分布する、すなわち日本固有の亜種であることが明確になりました。
- 今回の亜種記載により、琵琶湖固有亜種としての保全上の位置づけがより明確になりました。
- 本研究は、日本原生生物学会が刊行する英文誌 Journal of Protistology(オープンアクセス)に掲載されました。
【解説】
(1)ビワコツボカムリとは
ビワコツボカムリは、日本の淡水生物学の基礎を築いた川村多實二博士によって1918年に琵琶湖から新種として記載された有殻アメーバの一種です(川村,1918)。有殻アメーバとしては大型で殻の全長は最大で約0.38 mm、細長いラッパ状の殻に長い一本の突起(角)をもつ特徴的な形態をしています。国内では琵琶湖以外の湖沼では確認されておらず、琵琶湖の固有種と考えられてきました。
滋賀県水産試験場と旧滋賀県立衛生環境センター(現・琵琶湖環境科学研究センター)による111年にわたる定期的調査では、1960年代の夏(8月)には本種が琵琶湖の夏季プランクトンの優占種となっていましたが、1970年代から次第に個体数が減少し1981年10月9日に生きた個体が見つかったのを最後に、それ以降生きた個体は確認されていません(一瀬ほか,2004)。湖底には現在でも殻が堆積していますが、生存個体の発見には至っていません。この状況を受けて、2005年から滋賀県版レッドデータブックに絶滅危惧種として掲載され、2025年版では「すでに絶滅した可能性が高い種」と評価されました。
(2)本研究から分かること
2005年にYang & Shen によって中国・ムーラン湖から本種が記録・報告されたことで、ビワコツボカムリが中国にも生息することが明らかになりました(Yang & Shen, 2005)。その後、Ichise et al.(2021)は現在の国際動物命名規約に基づいてネオタイプ(新たに指定した模式標本)を指定し、国立科学博物館に登録・収蔵することで、本種の分類学的安定性を確保しました。
今回の研究においては、琵琶湖産の個体群と中国・ムーラン湖産の個体群それぞれの殻の全長・体長(殻の胴部の長さ)・突起長などの計測形質を詳細に解析しました。その結果、両個体群の間に統計的に有意な形態的差異が認められ、ムーラン湖産個体群を新亜種ムーランツボカムリ Difflugia biwae junyangi Ichise & Shimano, 2026 として記載されました。なお、学名は中国産個体群を報告した Jun Yang博士への献名です。
この新亜種ムーランツボカムリ記載により、琵琶湖産個体群は基亜種として区別され、琵琶湖固有亜種 D. b. biwae としての保全上の独自性が明確に示されました。
ビワコツボカムリ(上)とムーランツボカムリ(下)
(撮影:滋賀県琵琶湖環境科学研究センター、一瀬諭)
【論文情報】
【タイトル】New Subspecies of Difflugia biwae Kawamura, 1918 (Amoebozoa: Tubulinea: Arcellinida) from Lake Mulan, China
(日本語訳)中国ムーラン湖からのビワコツボカムリDifflugia biwae Kawamura, 1918 (Amoebozoa: Tubulinea: Arcellinida) の新亜種
【著 者】Satoshi Ichise and Satoshi D. Shimano
(滋賀県琵琶湖環境科学研究センター 一瀬 諭,法政大学 島野智之教授)
【雑誌名】Journal of Protistology
【公開日】令和8年(2026年)8月31日 オンライン公開
【論文掲載リンク】https://www.jstage.jst.go.jp/article/jop/57/0/57_e010/_html/-char/en
DOI: 10.18980/jop.e010
【発表者・研究者等情報】
滋賀県琵琶湖環境科学研究センター 環境監視部門 生物圏係
一瀬 諭 客員研究員
法政大学自然科学センター・国際文化学部
島野 智之 教授
20260901試験研究成果の国際英文誌公開について.pdf
ILECから3名が研究討議と実験室見学のためセンターを訪問しました(2026/08/06)
公益財団法人 国際湖沼環境委員会(ILEC)は1984年開催の「世界湖沼環境会議」を契機に滋賀県が中心になり設立された団体で、琵琶湖を含め様々なプロジェクトで当センターと関連があります。そのILECで新規に採用された大野研究員に当センターの研究活動を紹介するとともに、今後の研究協力について意見交換を行うため、明石達郎事務局長、西堀弘行事務局次長とともに3名が2026年8月6日(木)に訪問されました。
一行は、藤井センター長を表敬訪問した後、当センターメンバーと研究について討議を行いました。はじめに海東主幹がセンターの概要を紹介した後、金総括研究員が第八期中期計画の政策課題研究5である「ネイチャーポジティブ地域社会シナリオの構築」について、横山研究員が「琵琶湖環境科学研究センターにおけるプラスチック研究」について説明しました。その後、ILECの大野研究員が途上国のプラスチック問題について解説されました。各テーマについて、双方から活発な質疑・意見交換が交わされました。
その後、桐山環境監視部門長の案内によりセンター内の実験室を見学されました。今回の訪問を通じて、双方の研究内容の理解を深めるとともに、今後の連携につながる貴重な機会となりました。
ILECからの訪問団との記念集合写真
後段左から、浅見所長、金総括研究員、横山研究員、藤井センター長、
前段右より、大野研究員、明石事務局長、西堀事務局次長
小会議室での討議の様子
ドイツUniversität TübingenのPeter Grathwohl教授が訪問されました(2026/07/27)
2026年7月27日(月)にドイツUniversität TübingenのPeter Grathwohl教授、(一財)山岡記念財団の雪野弘泰理事、ヤンマーコーポレーション(株)の塩崎修司アドバイザーおよび京都大学工学研究科付属流域圏総合環境質研究センターの竹内悠特定講師の4名が、当センターを訪問しました。Peter Grathwohl教授は、山岡記念財団が主催する「びわ湖水環境ファーラム2026 in Moriyama」(7月25日開催)の講演者として来日されており、この機会を利用した関連研究施設見学の一環で当センターの訪問が実現しました。なお、雪野弘泰氏、塩崎修司氏および竹内悠氏が同行されました。
一行に対し、センター側からは藤井センター長、浅見所長、桐山部門長ら10名が応対し、Grathwohl教授の自己紹介の後、藤井センター長の「History of Lake Biwa Eutrophication and Lake Biwa Environmental Research Institute」、山口主任研究員の「Experimental Evaluation of Factors Controlling Microbial Carbon Pump Efficiency: Roles of Temperature, Substrate Quality, Sediments, and Benthic Organisms」、古角大気圏係長の「Monitoring of Air Quality in Shiga Prefecture」と講演が続きました。その後、センター環境監視部門の「公共用水域係」「生物圏係」、「大気圏係」「化学環境係」それぞれで実験室・測定機器を見学しました。
限られた時間でしたが、国内外の研究者・関係者が、研究内容や知見を紹介し、意見を交換する貴重な機会となりました。
大会議室での面談者との集合写真
前段左より、浅見所長、竹内特定講師、藤井センター長、Grathwohl教授、雪野理事、塩崎アドバイザー
大会議室での研究講演
実験室見学の様子
びわ湖水環境フォーラムで当センターの活動をポスター発表で紹介しました(2026/07/25)
2026年7月25日(土)に立命館守山中学校・高等学校で開催された「びわ湖水環境フォーラム2026 in Moriyama」(主催:一般財団法人 山岡記念財団)のポスターセッションで、4件のポスター発表(琵琶湖環境科学センターについて/琵琶湖における水質のモニタリング/琵琶湖における植物プランクトンのモニタリング/滋賀県における大気汚染状況の把握)とともに、調査器具(透明度測定板、バンドン採水器、ベッグマン採泥器)の展示、ROV(水中ドローン)による琵琶湖の湖底撮影VIDEOの投影などを行いました。当日は、藤井センター長、浅見所長、桐山部門長ら10名ほどが参加し、その説明などを行いました。
「びわ湖水環境フォーラム」の前半は、メディアホールにてドイツUniversität TübomgenのPeter Grathwohl教授を中心に滋賀県琵琶湖環境部、立命館守山高等学校からの講演がありました。後半のポスターセッションでは、当センターを含め、11団体から17のポスター発表があり、学生、一般市民、行政・研究機関、企業関係者などおよそ160名が参加しました。当センターのポスター掲示にも多数の訪問者があり、琵琶湖や滋賀県の環境問題に関する説明に熱心に耳を傾けるとともに、質問も活発に出されました。今回の出展は、当センターの取組や琵琶湖・滋賀県の環境を、若い世代を含めた多数の人に知ってもらうよい機会となりました。
関連サイト:https://yamaoka-memorial.or.jp/reports/2026/0725-01.html
当センターのポスターと掲示物
ポスター会場の様子
秋篠宮皇嗣同妃両殿下が当センターを御視察されました
秋篠宮皇嗣同妃両殿下が、令和8年8月3日(月曜日)、全国高等学校総合体育大会のご臨席に併せて当センターを御視察されました。
秋篠宮皇嗣殿下が、当センターを御視察されるのは、平成17年7月以来、2度目となります。
はじめに、藤井滋穂センター長から琵琶湖の環境変化について説明があり、両殿下は顕微鏡をのぞいて琵琶湖の水質に影響がある植物プランクトンを御観察されました。
また、琵琶湖の固有種で昨年6月に学名がついた「ビワマス」の保全活動を行うプロジェクトの5名のメンバーからは、地域や企業・専門家などが一体となって、産卵床の造成や遡上のための魚道を設置するなどの取り組みが説明され、両殿下は興味深くその活動について御質問されていました。
【家棟川・童子川・中ノ池川にビワマスを戻すプロジェクト】
木村 實 (プロジェクト代表)
藤岡 康弘 (元・滋賀県水産試験場長)
岩井 美智子 (ビワマス調査隊)
木田 伊久美 (TOTO(株) 滋賀工場)
佐藤 祐一 (当センター総合解析部門 専門研究員)
※敬称略
令和8年度評議員会の開催について
滋賀県琵琶湖環境科学研究センターでは、効果的、効率的な業務運営を図るために外部評価制度を導入しており、評議員会を設けて評価・助言等をいただくこととしています。このたび、令和8年度評議員会を下記のとおり開催しますので御案内します。
日時
令和8年8月20日(木曜日) 9時00分~16時55分
場所
議題
1. 会長・副会長の選任
2. 第七期中期計画に係る事後評価
3. 意見交換
傍聴者の定員
3名
申込方法
傍聴を希望される方は、直接会場までお越しください。受付開始時刻は、8時45分です。
なお、傍聴希望者が定員を超えた場合は、先着順となりますので、御了承ください。
交通
公共交通機関を御利用ください。
*JR大津駅から江若バス(浜大津線堅田駅行き)で約12分「柳ヶ崎」下車、徒歩約5分
*JR大津京駅から徒歩約15分
*京阪電車近江神宮前駅から徒歩約15分