センターニュースびわ湖みらい第42号
環境監視について
当センターは、総合解析部門と環境監視部門の2部門で琵琶湖と滋賀の環境に関する試験研究に取り組んでいます。環境監視部門では、その名のとおり、環境法令に基づく環境監視を行っており、その一部を紹介します。
1 大気汚染の監視
気汚染防止法に基づき、大気汚染に係る環境基準が定められている物質等について、大津市とともに大気中の濃度を測定しています。このうち、窒素酸化物、微小粒子状物質(PM2.5)、光化学オキシダント等8項目について、県内16ヶ所にある大気自動測定局で24時間連続監視しています。
光化学オキシダントは、全国的に環境基準(1時間値が0.06ppm以下)が未達成であり、滋賀県においても「光化学スモッグ注意報」の発令基準※を超えることがあります。その場合は注意報を発令し、県の行政部局や市町と連携して学校や福祉施設に周知しています。
※1時間値が0.12ppm以上になり、気象条件からみて、その濃度が継続すると認められるとき。
2 琵琶湖水質の監視
水質汚濁防止法に基づき、国土交通省、独立行政法人水資源機構と分担し、琵琶湖水質調査を毎月行っています。調査項目は、COD、全窒素、全りんのほか最近注目を集めている「PFOS及びPFOA」を含む90項目にわたります。各機関の結果を整理・集計して、環境基準の達成状況を評価するとともに、水質変化の要因を解析しています。
3 その他の環境監視
県の行政部局では、水質汚濁防止法に基づき、新たな地下水汚染の有無の確認や既知の地下水汚染地域における地下水質の継続的な監視を行っています。また、同法や大気汚染防止法等に基づき、規制の遵守状況を確認するため、工場や事業場に立入検査を行っています。
当部門では、こうした調査等で県の行政部局が採取した地下水や工場排水の水質分析等を行っています。
4 まとめ
環境監視は、大気汚染や水質汚濁の状況を把握する役割等を担っており、行政施策の一部として県民の皆様の生活に深く関係しています。
また、長年に渡る環境監視により得られた一般環境における大気や水質の測定データは、環境の変遷を知る上で、行政的、学術的に貴重な資料となっています。
当部門では、環境監視を着実に進め、県民の皆様に環境に係る情報を提供しながら、その中で確認された現象についての解析や試験研究を行っていきます。
水質調査船「びわかぜ」と琵琶湖水質調査の様子
環境監視部門