酸性雨情報

酸性雨調査

   滋賀県では、酸性物質の由来や琵琶湖流域への窒素栄養塩負荷量の動向を調べる目的で、降水のpHや各種イオン成分の調査を行っています。
 

 

測  定  項  目

説          明

pH

(水素イオン濃度指数)

水溶液の酸性・アルカリ性の度合いを表すもので、値の範囲は0~14です。7を中性とし、7より小さな数値になるほど酸性が強く、7より大きな数値になるほどアルカリ性が強くなることを示します。大気中の二酸化炭素(CO)が蒸留水に溶け込み平衡状態になった場合のpHが5.6であるところから、pH5.6以下の降水を酸性雨と呼ぶ場合が多く見られます。

 

 

 

 

 

 

 

 

海塩由来硫酸イオン

(ss-SO2-

海水に含まれていた硫酸イオンが降水に溶け込んだもので、雨水の酸性・アルカリ性への直接的な影響はありません。

非海塩由来硫酸イオン

(nss-SO2-

降水の酸性化に関係している硫酸イオンです。石油や石炭等の燃焼により排出された二酸化硫黄(SO2)が大気中で酸化されることにより生成した硫酸が、降水に溶け込んだものが多くを占めます。

硝酸イオン

(NO3

非海塩由来硫酸イオンとともに降水の酸性化に関係しているイオンです。自動車排気ガス等に含まれていた窒素酸化物(NOx)が、大気中で酸化されることにより生成した硝酸が降水に溶け込んだものが多くを占めます。

アンモニウムイオン

(NH

畜産や人間活動により発生したアンモニアガス(NH3)が降水に溶け込んだものです。また、アンモニアが硫酸や硝酸と大気中で反応してPM2.5等の粒子を生成した後に、降水に溶け込みます。

海塩由来カルシウムイオン(ss-Ca2+

海水に含まれていたカルシウムイオンが降水に溶け込んだもので、降水の酸性・アルカリ性への直接的な影響はありません。

非海塩由来カルシウムイオン(nss-Ca2+

多くは道路粉じんや、春先の黄砂等に含まれていたカルシウムイオンが降水に溶け込んだもので、酸性化した降水を中和します。

塩化物イオン(Cl

ナトリウムイオン(Na

マグネシウムイオン(Mg2+

カリウムイオン(K

各イオンとも多くは海水に含まれていたものが降水に溶け込んだものです。

 

 

 

<測定結果(2016年度~2018年度の年間降下量)>
           測定地点   高島市今津 : 高島合同庁舎屋上 
                  大津市柳が崎 : 琵琶湖環境科学研究センター屋上
                       いずれも、ろ過式採取装置により約1週間ごとに降水を採取しました。

 

 
地 点 年 度 降水量 (mm) pH 年間降下量(mmol/m2/年)
平均値 最小~最大 H+ ss-SO42- nss-SO42- NO3- Cl- NH4+ ss-Ca2+ nss-Ca2+ Na+ Mg2+ K+
高島市今津 2016 2110 4.81 4.33 ~ 5.85 32.4 12.2 26.6 40.4 242.5 32.8 4.4 5.6 203.8 23.7 7.7
高島市今津 2017 2117 4.79 4.04 ~ 5.48 34.2 8.2 21.8 39.1 157.2 31.8 3.0 6.3 137.3 16.2 4.7
高島市今津 2018 1809 5.05 4.33~6.75 27.4 7.0 19.7 35.3 133.0 30.9 2.6 10.4 117.3 14.6 6.8
大津市柳が崎 2016 1668 4.89 4.25 ~ 6.56 12.8 1.4 9.3 18.5 25.1 15.8 0.5 2.8 24.1 2.8 2.4
大津市柳が崎 2017 1594 4.82 4.22 ~ 5.79 15.1 1.0 9.8 20.7 16.3 18.8 0.3 3.3 15.9 1.7 2.4
大津市柳が崎 2018 1666 4.81 4.08~5.38 24.2 1.1 12.2 23.1 24.5 19.8 62.5 3.6 20.4 2.6 1.6

 

    図1は、pHの経年変動です。大津市と高島市で長期間継続した測定結果がある地点(図2)について、示しました。長期的にpHは上昇傾向で酸性化は改善しています。なお、炭酸カルシウムのようなアルカリ性物質による中和反応が起こるなどpHの変動に影響を与える物質があると考えられるため、pHだけではなく各種イオンを測定しています。

<pHの経年変動>図1、図2

<非海塩由来硫酸イオンと硝酸イオンの年間降下量の推移>図3、図4

<窒素降下量の経月変動>図5、図6

<窒素降下量の経年変動>図7.図8、図9