お知らせ

【論文掲載】陸域で数千年近く隔離された「古い炭素」を、 水圏の温暖化が再び循環させる ――放射性炭素分析が示す新たな気候フィードバック――

琵琶湖環境科学研究センターの中村航会計年度任用職員(東京大学大気海洋研究所と兼務)、山口保彦主任研究員、東京大学大気海洋研究所の横山祐典教授、国立環境研究所琵琶湖分室の霜鳥孝一主任研究員らの研究グループによる研究成果が、国際英文学術誌で公開されました。

 

【概要】

・   放射性炭素同位体分析を用いた新たな培養実験の手法を提案し、水圏堆積物中で分解される有機炭素の起源特定に成功しました。

・   陸域で数千年近く隔離された後に湖沼に流入した「古い炭素」について、湖沼の水温上昇により分解(=CO2放出)が大きく促進される可能性を、初めて実験的に示しました。

・  将来の温暖化進行に対し、土壌浸食防止等の陸域対策が、水圏環境の貧酸素化を緩和する有効な手段となりえることが示唆されます。

・  本成果は、国際水協会(IWA: International Water Association)が運営する国際英文学術誌「Water Research」(出版:エルゼビア社)に掲載されました。

 

研究成果の概要(原著論文より改変)。

Q10は温度が10℃上昇したときに有機炭素の分解速度が何倍になるかを示す値です。

陸域起源の古い有機物の方が温度への感受性が高いことが明らかになりました。

 

【論文情報】

【タイトル】Decomposition of Aged Sedimentary Organic Matter in a Deep Temperate Lake Under Warming Conditions: An Experimental Approach

                 (日本語訳)温暖化条件下における温帯深水湖の古い堆積有機物の分解:実験的研究

【著 者】Wataru Nakamura*, Yasuhiko T. Yamaguchi*, Shish Muhammad Soyaib, Sho Ogasawara, Eiso Inoue,Koichi Shimotori, Yosuke Miyairi, Yusuke Yokoyama

                 (* 責任著者)

【雑誌名】Water Research

【公開日】令和8年(2026年)4月6日

【論文掲載リンク】https://doi.org/10.1016/j.watres.2026.125740

 

詳しくは下記資料を御覧ください。

260407研究成果の国際英文誌公開について(PDF:773KB)

【4/1~】YouTubeコンテンツページの開設について

 

現在YouTube上に掲載している当センターの研究内容等に関する動画については、

運用方法の変更により、来月4月1日から限定公開とさせていただきます。

 

限定公開となった動画については、新たに開設されるYouTubeコンテンツページから、

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ブックマーク等していただければ、スムーズにページを開くことができます。

 

御理解のほどよろしくお願いいたします。

 

【イメージ】

滋賀県生きものデータバンク研究会開催のご案内~琵琶湖における寄生生物の分類と最新情報~

 3/30(月)に「滋賀県生きものデータバンク研究会」を開催いたします。関心をお持ちの方の参加をお待ちしています。

■ 日時

 2026年3月30日(月) 13:00〜15:00

■ 場所

 琵琶湖環境科学研究センター 2階 大会議室

■内容(予定)

 1. 「琵琶湖水系に生息する寄生生物の概要と最新知見」

  講師:滋賀県立大学 環境科学部 教授 浦部 美佐子 氏

 2.「琵琶湖とその周辺水域におけるエラオ類2種,チョウとチョウモドキの分布特性」

  講師:広島大学 名誉教授 長澤 和也 氏

 3.コメント

  元びわこ成蹊スポーツ大学 西野 麻知子 氏

 4.質疑応答・意見交換

 ■ 対象

 琵琶湖周辺の研究者、生態系保全に関心のある方 など

■ 申込方法

 参加を希望される方の氏名・所属を下記までお知らせください(締切:3月29日)。

■ 事務局・連絡先

 滋賀県琵琶湖環境科学研究センター

 担当:石川可奈子

 TEL:077-526-4800 Email:ishikawa-k@lberi.jp

 

詳細は下記資料を御覧ください。

滋賀県生きものデータバンク研究会.pdf

琵琶湖の水質保全と生物資源保全は両立できるのか?琵琶湖の「健全さ」を測る新たな評価に関する研究成果が国際英文誌で公開されました!

当センターが令和2年度(2020 年度)以降取り組んできた「湖沼の円滑な物質循環につながる要件と指標に関する研究」について、
佐藤祐一専門研究員、早川和秀部門長の研究成果が国際英文誌「Ecological Modelling」で公開されましたので、お知らせします。

 

【概要】
・独自に開発したシミュレーションモデルを用いて、琵琶湖の水質や生物資源に関連する様々な指標の関係性を評価しました。
・その結果、水質保全(植物プランクトンが少ないこと)と生物資源保全(魚類の資源量が多いこと)の両立には、
 ①プランクトンから魚類に物質がスムーズに運ばれること、②動物プランクトンの餌(植物プランクトン)の質がよいこと、
 の2つが重要であることが明らかになりました。
・一方で、琵琶湖の環境基準に設定されている栄養塩(りん)濃度と「水質保全と生物資源保全の両立」には明確な関係が
    見られないことも分かりました。
・本成果はエルゼビア社(オランダ)の国際英文誌「Ecological Modelling」に掲載されました。同誌は、コンピュータを用いて
 生態系を分析する研究を扱う論文誌であり、掲載前に複数の専門家によってデータの正確性・論拠有無・新規性等について
 厳格な検証(査読)が実施されます。

 

【タイトル】Indicators for lake environmental assessment considering water quality and biological resources: Analysis using a food chain model with the Monte Carlo method
      (日本語訳)水質と生物資源に配慮した湖沼の水環境評価指標:モンテカルロ法を用いた食物連鎖モデルによる解析
【著 者】Yuichi Sato, Kazuhide Hayakawa
【雑誌名】Ecological Modelling Volume 514, April 2026, 111455
【公開日】令和8年(2026年)1月9日(オンライン早期公開)
【論文掲載リンク】https://doi.org/10.1016/j.ecolmodel.2025.111455

 

詳しくは下記資料を御覧ください。

260220_研究成果の国際英文誌公開について(PDF:884KB)