センター長挨拶

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琵琶湖環境科学研究センター長 津 野 洋

 琵琶湖環境科学研究センターは、琵琶湖と滋賀県の環境に関する試験研究機関として平成17年(2005年)に設立し、科学的な知見や成果をもって県の政策や県民への還元という役割を果たしてきました。

 センターの前身であります琵琶湖研究所、衛生環境センターの環境部門および森林センターが進めてきた数々の重要な調査研究を受け継ぎ、琵琶湖の水質調査のほか、大気や地下水等の調査による環境監視をはじめ、シミュレーション等の研究成果をもとにした琵琶湖流域の水環境や生態系の保全・再生にかかる提言など、多くの実績を積み上げてきたところです。

 昨今、琵琶湖とその集水域に目を向けると、水質改善のための様々な取り組みにより、水質は一定の改善がみられる一方で、在来魚介類の減少など、琵琶湖と滋賀県の環境の課題は複雑化・多様化しています。また、生態系をはじめ様々な場面で、気候変動の影響が出始めています。

  琵琶湖が大切な湖であることは言うまでもありません。琵琶湖とそれをとりまく山、川、里、湖に何が起きているのか。それを正確に知り、何をすべきかを追い求めることが、琵琶湖の、滋賀の環境を守るうえで重要なことであります。

 これまでの調査研究の蓄積があるとは言え、琵琶湖をはじめとする自然は奥深いもので、まだまだ未解明の課題が数多くあります。こうした課題を解き明かすため、今後ともセンターでは、琵琶湖と滋賀県の環境の変化を捉えることを目的として継続的にモニタリングを行うとともに、多様な主体と連携し、総合的な視野に基づく研究を進めてまいります。

2020年4月