琵琶湖生物多様性画像データベース

びわ湖の生き物たち
   --- びわ湖の生物相

 湖の生物は、水中のどこにいるかによって、(1)水中にいるもの、(2)水の底にいるもの、(3)水と空気との接点にいるもの、に分けられます。水中にいるものを「プランクトン」(顕微鏡的な小さな生き物)、「ネクトン」(自分で泳ぐ能力のある魚)、水底にいるものを「ベントス」と呼びます。ベントスの中で、エビやユスリカ、貝、ミミズの仲間を底生動物、水草やヨシなどを底生植物といいます。また水表面にすむアメンボ、浮き草などを「プリューストン」とよびます。
 これまでにわかっているだけで約1700種の水生動物・植物が、びわ湖から報告されています。このうち、プランクトンが約600種、ベントスは、底生動物が700種以上、底生植物(水草)が約60種、ネクトンが約60種、そしてプリューストンが約10種です。これらをすべて合わせても1700種に達しないのは、寄生性の種がいることや、プランクトンとベントスの両方の性格をもつ種がいたり、すべての種がどのような生活をしているかわかっていないためです。また、腹毛類(イタチムシの仲間)やクマムシ類、ミズダニ類など、まだ十分研究されていない分類群も多く、びわ湖にすむ水生生物種は少なくとも2000種を超えると考えられます。これに細菌やウイルスを含めると全部で何種になるのか全くわかりません。
 びわ湖からは、現在のところ66種が固有種と考えられています(西野ほか、2017)。日本の湖で固有種が知られている湖は、北海道の阿寒湖(アカンコカイメン1種)と長野県の木崎湖(キザキコミズシタダミ1種)くらいなもので、800余りの日本の自然湖沼の中で、これほど多くの固有種を擁する湖はびわ湖をおいて他にありません。

参考文献

  1. 西野麻知子・秋山道雄・中島拓男(編)(2017)琵琶湖岸からのメッセージー保全・再生のための視点ー.サンライズ出版

*執筆 西野麻知子

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