琵琶湖集水域地下水の研究
湖畔住民の生活変遷と琵琶湖像の解明
河川による物質流送に関する研究
琵琶湖研究所に期待する
特集・琵琶湖のスジエビ
●世界の湖3 オンタリオ湖(アメリカ・カナダ)
環境政策と住民参加
研究サロン



世界の湖(3)
オンタリオ湖(アメリカ・カナダ)


 アメリカとカナダの国境にまたがる五大湖は、誰知らぬ者のない有名な湖です。地球上での最も大きな淡水塊として一般に5つの湖をまとめて”The Great Lakes”と呼ばれています。
 オンタリオ湖は、その最下流に位置し五大湖の中では最も小さい湖ですが、それでも琵琶湖の30倍近い広さです。他の4つの湖より99m程水位が低いため、世界の七不思議の一つに数えられているナイアガラ瀑布によってエリー湖の水が流入し、やがてセントローレンス川へ流れ出て行きます。長さ約309キロ、巾約85キロほどの細長い湖で、水深は最深点で244mあります。周辺にトロント、ハミルトン、バッファロー、ロチェスターなどの大都市を擁しているため、エリー湖と並んで最も富栄養化の進行が憂慮されていました。
 この湖のほとり、バーリントンには、カナダ最大の陸水研究所、カナダ内水面センターがあります。ここには約300名の研究者とほぼそれと同数の技術者が勤務し、調査船は大小合わせると約100隻、研究所の構内に自前の発電所まで持っていて、さながら一大王国の感があります。
 私は本年8月、アメリカのノースダコ夕大学で開催された国際鞭毛藻類シンポジウムに出席のついでにこの研究所を訪れました。J.R.バレンタイン博士(前国際陸水学会会長)が親切に所内を案内してくれましたが、スタッフの構成もさることながら、屋内に風洞実験設備あり、長水路実験設備あり、数mの高さの実験水槽がズラッと並ぶさまには圧倒され、目を見張るばかり。彼もまさに”kingdom”だと誇らしげに語ってくれました。
オンタリオ湖とバレンタイン博士
 バレンタイン博士等を初めとするアメリカ・カナダの合同委員会の働きによって、1970年頃から洗剤中のリン規制が実施された結果、オンタリオ湖の富栄養化にストップがかかり、1972年4月に当時のアメリカ大統領ニクソンとカナダ首相トルドーによって五大湖水質協定が調印された頃から、透明度の回復、リン濃度の低下が報告され、1973年頃の15.4μgP/ℓが1981年には5.6にまで下った報告(Dobson、1981)を聞くのは、琵琶湖にとっても実に心強い限りです。(倉田 亮)


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