私は草津市の湖岸北山田町に生れ育ち、三十数年来漁業ひとすじに琵琶湖を職場としてきました。
このたび、琵琶湖研究所からひと言書けといわれ、なれない筆をとることになりました。普段、身近に感じていることを思いつくままにまとめてみます。
まず、毎日琵琶湖に出る生活のなかでいちばん強く感ずるのはやはり水質の変化です。二十数年前までは水深3メートルある潮底でも、舟からのぞいて、竹さおにタモをつけて貝をとることができました。また、その頃は舟に茶や水を持ってのらなくてもなま水が飲めました。それが今では舟にのるなら水を持たねばならないありさまです。そして十数年前までは皮シジミ(セタシジミ)やタニシなどもざくざく採れましたが、今ではほとんど採れません。またヒメタニシですが、昔は「ロン堀」(クリークのこと…編集部注)か水のきたないところにしかいなかったのですが、今では南湖一円にひろがっています。
このように変わった原因は、琵琶湖の周囲から流れてくる汚水のためではなかろうかと思います。昔は各家庭の敷地の片すみに排水用沈でん
池が約0.1坪あり、そこでもろもろは沈み、うわ水だけが曲りくねったロン堀に入り、そこから琵琶湖へと流れ出ていました。それが今では、地域開発や農地開発がすすみ、かつての曲りくねったロン堀が壊
され、新しい側溝ができ、農業排水や家庭排水、工場排水などが琵琶湖にストレートに流出しています。
このように色々な開発のため大自然がこわされていくのが現状です。琵琶湖を守るため、琵琶湖研究所の皆さんが幅広い面で活躍されますよう期待します。 |